選考対策

インターンシップに「落ちる理由」はコレ!ES・面接のNGポイント徹底解説

2025/11/4
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インターンシップ選考の現状と企業が求める本質

インターンシップは、もはや単なる「職業体験」や「社会勉強」の場ではありません。多くの企業にとって、優秀な学生と早期に接点を持ち、自社の魅力を伝え、将来の採用候補者を見極めるための重要な戦略的プロセスと位置づけられています。特に人気の企業や業界では、本選考さながらの厳しさで選考が行われ、多くの学生が「なぜ落ちたのか」という疑問を抱えながら、不合格通知を受け取っています。この選考プロセスにおいて、企業は学生のどのような点を見ているのでしょうか。それは、単に学歴やスキルだけではなく、その企業で活躍できるポテンシャル、仕事への熱意、そして論理的な思考力やコミュニケーション能力といった総合的なビジネススキルです。企業はインターンシップを通じて、学生が自社の文化にフィットするか、チームの一員として貢献できるか、そして将来的に自社を成長させる人材になり得るかを見極めようとしているのです。

エントリーシート(ES)で不合格になる「致命的なNGポイント」

インターンシップ選考の最初の関門であるエントリーシート(ES)で不合格になる学生の多くは、いくつかの共通した「致命的なNGポイント」を抱えています。最も顕著なのは、「なぜその企業・業界のインターンシップに参加したいのか」という明確な目的意識の欠如です。多くの学生は「経験を積みたい」「業界研究のため」といった漠然とした理由を挙げますが、企業側からすれば、それは「誰でも言えること」であり、その学生ならではの強い意欲や企業への貢献意図が見えてきません。例えば、IT企業のインターンに応募する際に、「IT業界に興味がある」とだけ書くのではなく、「貴社の〇〇というサービスに深く関心があり、その開発プロセスを通じて、△△という技術課題の解決に貢献したいと考えている」といった具体的な視点が必要です。

次に、自己PRや学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)の具体性や論理性の不足も大きな要因です。単に「頑張ったエピソード」を羅列するだけでは、企業は学生の「本質的な強み」や「学びの深さ」を理解できません。例えば、部活動で成果を出した経験を語る際も、「〇〇な状況で、△△という課題があり、それに対して私は□□という具体的な行動を取り、結果として☆☆という成果を出すことができました。この経験から、私は≪具体的な学び≫を得て、それを貴社のインターンシップで≪どのように活かしたいか≫」といったSTARメソッド(状況・課題・行動・結果)に沿った論理的な記述が求められます。特に重要なのは、その経験から何を学び、その学びをインターンシップでどう活かしたいのかという未来への接続を示すことです。

さらに、企業理解や業界理解の不足も不合格につながります。企業の求める人物像やインターンシップで提供される内容を十分に理解せず、一般的な自己PRや志望動機を使い回しているケースが散見されます。これは、企業側からすれば「自社への関心が低い」と判断され、選考を通過させる理由が見当たりません。企業の採用サイトやIR情報、社員インタビュー記事などを徹底的に読み込み、その企業ならではの魅力を発見し、自身の経験や強みと結びつけて表現する努力が不可欠です。また、誤字脱字や表現の稚拙さも、「仕事に対する丁寧さ」や「基礎的なビジネススキル」を疑われる原因となるため、提出前には必ず複数回見直し、可能であれば第三者に添削してもらうことを強く推奨します。

面接で不合格になる「コミュニケーションの落とし穴」

ESを通過し、面接に進んだとしても、多くの学生が「コミュニケーションの落とし穴」に陥り、不合格になっています。最もよくあるのは、ESに書かれた内容をただ棒読みするだけ、あるいは深掘り質問に対して表面的な回答しかできないケースです。面接官はESの内容をすでに読んでいますから、その内容の「背景にある思考プロセス」や「具体的な行動の意図」を知りたいと考えています。例えば、「なぜその行動を選んだのか?」「その時、何を考えたのか?」「もし別の選択肢があったとしたら、どうしたか?」といった深掘り質問に答えられないと、学生の「思考の浅さ」や「自己理解の不足」を露呈してしまいます。

次に、コミュニケーション能力の欠如も大きな課題です。これは、単に「話すのが苦手」というレベルに留まりません。面接官の質問の意図を正確に理解し、論理的かつ簡潔に自身の考えを伝える「傾聴力」と「表現力」、そして「論理的思考力」が問われます。話が長すぎたり、要点が不明確だったり、質問と回答がズレていたりすると、企業は「この学生は、チームの一員として円滑にコミュニケーションを取れるだろうか」と懸念を抱きます。特に、オンライン面接では、対面よりも非言語情報が伝わりにくいため、声のトーン、話すスピード、表情、視線などを意識し、ハキハキと、そして笑顔で話すことが重要です。

また、熱意や主体性の不足も不合格の大きな要因です。面接は、学生が企業に対して自身の魅力をアピールし、入社への意欲を示す「真剣な対話の場」です。しかし、受け身の姿勢で質問に答えるだけだったり、企業への興味が薄いことが透けて見えたりすると、面接官は「この学生は本当にうちのインターンシップに参加したいのだろうか」と疑問を抱きます。特に、面接の最後に設けられる「逆質問」の質の低さは致命的です。「何か質問はありますか?」と聞かれた際に、「特にありません」と答えたり、調べればすぐにわかるような質問をしたりすると、企業への関心の低さや準備不足が露呈します。質の高い逆質問とは、企業や業界について深く調べた上で、自身のキャリアビジョンや学びたいことと結びつけ、具体的な疑問を投げかけることです。例えば、「貴社の〇〇という事業戦略について拝見しました。その中で、△△の課題にどう取り組んでいらっしゃるのか、社員の方々がどのような意識で業務にあたっているのか、具体的なエピソードを交えてお聞かせいただけますでしょうか」といった質問は、企業理解の深さと主体性を示すことができます。

根本的な課題と選考突破のための行動変容

ESと面接、それぞれの選考フェーズで不合格になる具体的な理由を解説してきましたが、これらに共通する根本的な課題は、学生の「なんとなく」の応募姿勢と、それに伴う自己分析・企業研究の甘さ、そして選考対策の不徹底にあります。インターンシップ選考は、本選考の「予行演習」ではありません。企業にとっては、将来の優秀な人材を発掘し、自社のファンを増やすための重要な投資です。だからこそ、企業は学生に対しても、本選考さながらの真剣な準備と熱意を求めているのです。

この状況を打破し、インターンシップ選考を突破するためには、学生自身の「行動変容」が不可欠です。まず、徹底した自己分析を通じて、自身の強み、弱み、興味関心、将来のキャリアビジョンを明確に言語化することから始めてください。次に、興味のある企業や業界について深く掘り下げた企業研究・業界研究を行い、なぜその企業でなければならないのか、なぜその業界で働きたいのかという「Why」を明確にしてください。そして、ESや面接の準備においては、具体的なエピソードに基づいた論理的なストーリーテリングを意識し、「企業への貢献意欲」と「自身の成長意欲」を明確に伝える練習を重ねてください。

キャリアアドバイザーとして、私は皆さんに、インターンシップ選考を「自分自身の未来と真剣に向き合う機会」として捉えてほしいと強く願っています。不合格という結果は、決して皆さんの能力不足を意味するものではありません。それは、「企業が求める要件」と「皆さんのアピールポイント」の間にギャップがあることを示唆しているだけです。そのギャップを正確に分析し、次なる行動へと繋げることができれば、皆さんの就職活動は大きく前進するでしょう。今日から、このアドバイスを胸に、「なぜ落ちたのか」を明確にし、「どうすれば次こそは成功できるのか」を具体的に考え、行動に移していくことを期待しています。皆さんの真剣な努力と、本質を捉えた対策こそが、インターンシップ選考突破への唯一の道なのです。